アトピーで熱がこもってしまうときの対処法｜アトピー持ちの看護師より

からだが頑張りすぎている｜熱がうまれてしまうしくみ

アトピーの熱の正体

　からだで起こる熱とは、体でおこっている火事（炎症）のようなもののようです。これは、からだ（とくに白血球、リンパ球などの免疫細胞）が頑張っている証拠で、ばい菌をやっつけようと頑張っているので、体にとって、必要不可欠な火事であると言えます。

　しかし、アトピーの場合、からだが常に頑張りすぎてしまうため、火事が必要以上に大きくなってしまいます。
そのため、必要のないところまで、火事が広がり、破壊してしまう。

　それが、アトピーの辛さである、「猛烈なかゆみ」と「皮膚の赤み」の正体のようです。

火事を消すコツは、からだが頑張りすぎない衣食住

　からだの火事を消す方法といえば、保湿剤やステロイドだと思いますが、衣食住が、からだを頑張らしてしまうと、必要以上にアトピーが頑張り続けてしまうため、保湿剤やステロイドでも、火事がうまく消えないことがあります。

頑張りすぎ系の衣食住の例

頑張りすぎ系の衣

• きつめのシャツ、ズボン
• ウール素材のセーター
• ウール系のタオル

頑張りすぎ系の食べ物

• 辛くて刺激が強い食べ物：ラーメン、カレーなど
• アルコール：とくにビール
• 甘いお菓子：チョコ、シュークリームなど

頑張りすぎ系の住

• 窓を閉めて続け、空気がこもっている
• 1週間以上掃除してない
• 1週間以上洗ってない布団

頑張りすぎない衣食住で、からだのお休みを｜熱を冷ます対処法

熱を冷ます頑張りすぎない衣

　衣類が熱をため込んでしまったり、汗が乾きにくいと、からだが頑張りすぎるので、通気性がよく、熱をため込まない衣類がいい感じです。

　触った感じが、つるつるしていたり、なめらかな感じが多い傾向です。
　素材で言えば、ポリエステル、ガーゼ、麻などが最適です。（個人差はあります。）

　こちらでは、3点ご紹介いたします。

エアリズム（ユニクロ）のTシャツ　

　安くて、からだが頑張りすぎないTシャツなのでおすすめです。

二重ガーゼパジャマ

　脇つなぎ目がないので、脇の摩擦を減らし、熱も減らせます。こちらもからだにやさしい。

ガーゼタオル

　羽毛タオルだと、熱がこもりやすく、渇きも悪いので、汚れもたまりやすいです。ガーゼだと、通気性がよく、渇きもよく、からだにやさしいです。

頑張りすぎない食

　からだが頑張りすぎる食べ物を食べてしまうと、熱がこもりやすくなります。
　とくに、ハンバーガー、ラーメン、アイスクリームなど、刺激が強く、糖分が多いもの、ジャンキーなものは、解毒の働きをしている肝臓や腎臓が頑張らないといけない食べ物なので、熱が生まれやすいです。
　そのため、野菜炒め、玄米、ハッカのど飴など、刺激が弱く、質素で、スースーする食べ物を食べる回数を増やしておくと、体が頑張りすぎず、熱を冷ましやすくなります。

体の熱を冷ましてくれる野菜｜しょうが、大豆

　しょうがは、体の熱の原因の一つである、「炎症」を冷ましたり、血流をよくする効果があるそうです。

　大豆も、ビオチンというビタミン（B群）の効果で炎症を冷ましてくれます。

熱を冷ましてくれるお菓子｜ハッカのど飴、ハーブのど飴

ハッカやミントなど、スースーする系が熱を冷ましてくれるそうです。
いつものお菓子代わりにでもどうぞ。

参考サイト

・セゾンのくらし大研究：生姜の効能と摂取時の注意点｜適度に生姜を食べて健康な体を維持しよう！
https://life.saisoncard.co.jp/health/beauty/post/c471/

・医療法人社団　麻布医院 ： 免疫栄養学
https://www.azabu-iin.com/meneki/index.html

頑張りすぎない住

　なかなか見落としなのが、「住」です。
　アトピーをよくすると言えば、食べ物や衣類の情報は多いですが、住の情報は少ないように感じます。

　寝室が熱くなれば、体も熱くなり、かゆみが増して、眠れなくなったり
　部屋の空気を入れ替えていないと、熱がこもって、体も熱くなってしまい、かゆくなります。

　そのため、

　風通しを良くして、すずしい温度を保てれば、体に涼しくなって、かゆみも落ち着きやすくなります。

　このように体ががんばりすぎない住にすると、熱を冷ましやすく、アトピーが落ち着きやすくなります。そして、できる範囲内で、窓を開けたり、エアコンを調整して、空気と水をきれいにしていくことが、頑張りすぎない住への近道となる思われます。

電気を節約して、部屋を涼しくしてくれる｜すだれ

　乾燥で、かゆみが強くなりやすいアトピーの方にとって、夏場のエアコンは天敵となりやすいと思います。そのため、なるだけ、自然ですずしい風を通し、部屋の温度を下げてくれるすだれは、「電気」と「体」の省エネになりやすいようです。

横になるだけで、体全身を冷ましてくれる｜ひんやり系寝具

　ひんやり系寝具は、体とアトピー熱を冷まし、寝心地を良くしてくれます。
　素材は、衣類と同じように、麻、ガーゼ、シルク系などがおすすめです。

お休みできる遊び｜遊びも薬

　最後は、心の熱を冷ましてくれる「遊び」です。
　体にアトピー熱がこもってしまうと、心にも熱がこもりやすく、いらいらしたり、もやもやして、体をひっかきやすくなります。

　とくに、アトピーが悪化しているときは、人前に出るのが嫌だ、風呂に入りたくないと嫌な気持ちになりやすいかもしれません。

　そんな嫌な気持ちを少しでも、涼しく、冷ましてくれる「遊び」は、アトピーの方のメンタルケアとして重要だと思われます。

マンガもゲームも楽器も心の薬

　「遊び」は、子どもころに好きだった、ゲーム、マンガ、楽器などがお勧めだと思います。これらは、楽しみながら、両手を使うことが多いので、自然とひっかく回数を減らし、心の熱を冷ましてくれると思います。

こちらでは、おすすめのマンガ、ゲーム、楽器をご紹介します。

泣いて、笑って、元気をくれるマンガ｜コメディ系マンガ

　漫画 ワンピースのように、ネガティブな気持ちをすっ飛ばしてくれる主人公ルフィやその仲間たちを見て、泣いたり、笑ったりする中で、ストレスホルモン（コルチゾール）が減りやすいようです。また、どうしてもアトピーできついとき、キャラになりきって、音読して読んでみると、元気になりやすいです。

ルフィ「『生きたい』と言えぇ!!!!」

ロビン「生ぎたいっ!!!!」

41巻　第398話

アトピーを忘れて冒険へ｜RPG

　ファイナルファンタジー、ドラクエ、ポケモンなどRPG系のゲームは、地道に育てて、冒険しているうちにアトピーを忘れさせてくれることが多いです。とくに、ストーリー系だと、映画の世界にいるかのように感じて、仲間と苦難を乗り越える中で、元気をくれることがあるように感じます。また、ゲームは両手を使ってプレイするため、ひっかく回数が減りやすいようです。

弾いてるうちに心の熱が冷める｜ギター、ピアノ

　ほとんどの楽器は、両手を使いながら、演奏するので、得意な楽器を10～20分だけでもやってみると、心の熱が冷めやすいかもしれません。こちらでは、自宅でも弾きやすい定番な楽器、ピアノとギターをおすすめしていますが、自分自身が得意で好きな楽器がちょうどいいと思われます。

ちなみに、弾き語りのように歌も一緒に歌うと、自律神経や血流を整えたり、免疫力を高めやすいと言われています。

頑張りすぎない人生を

皮膚科の先生、友人、家族であっても、アトピーのつらさを理解されないことがあるかもしれません。

アトピーをうたい文句に、効果のない高額な商品やネットの情報が多く見ることがあるかもしれません。

だからこそ、どうか、ご自身を責めすぎず、頑張りすぎない人生を。

無理しすぎませんように🌛